スイス政府による行動制限措置

2020/7/1

 
 7月1日,スイス連邦政府は,交通量の増加や6月中旬以降の感染者数の増加を受け,公共交通機関(列車,トラム,バス,登山鉄道,ケーブルカー,船等)における,12才以上の乗客によるマスク着用を7月6日より義務づけることを閣議決定しました。
  なお,引き続き全ての公共の場で感染防止措置を実施することと共に,下記(4)の感染防止のための行動の遵守,衛生措置や社会的距離確保(1.5M)の遵守等の実施が求められています。
 引き続き連邦政府及び各州政府の発表にご留意ください。


(1)経緯:
 3月16日,スイス連邦政府は新型コロナウイルス感染症対策として,各種の行動制限等の措置を導入し,4月8日にはこれらの措置を4月26日まで延長することを閣議決定しました。その後,国内の感染状況を踏まえ,スイス政府は4月16日,これらの行動制限措置の一部について段階的な緩和を行うことを閣議決定し,4月27日から第1段階の緩和を実施しました。
さらに,4月29日,スイス連邦政府は,第2段階以降の緩和措置の内容を閣議決定し,5月11日から実施しました。
 5月27日,スイス連邦政府は第3段階の緩和措置の内容を閣議決定しました。当初,第3フェーズの開始日は6月8日(月)とされていましたが,多くの活動につき6月6日(土)に前倒しして緩和措置を実施,公共の場での集まり等については5月20日及び6月1日にさらに前倒ししての緩和措置を実施することを決定しました。引き続き連邦政府及び各州政府の発表にご留意ください。
 6月15日,スイス連邦政府は,すべてのシェンゲン協定加盟国等との入国制限措置を解除し,買い物を目的とする出国(いわゆるショッピング・ツーリズム)に係わる再入国の制限を解除しました。
 6月19日,スイス連邦政府は,感染症法に基づき3月16日に発出した「非常事態」宣言を,同日付で「特別事態」に引き下げるとともに,当初6月24日に予定していた行動制限措置の緩和(第4段階)を前倒しし,6月22日以降,下記(2)(エ)の緩和措置を実施することを決定しました。また,これに併せて,「非常事態」からの脱却に伴い,あり得べき感染の「第2の波」への対応については各州が一義的責任を負うことを明らかにしました。 
 
(2)段階的緩和の主な内容:
 スイス連邦政府は,連邦内閣が3月16日に発出した感染症法第7条に基づく非常事態宣言については,6月19日付で「特別事態」(同法第6条)(連邦内閣が感染防止に必要な措置を講じる上で各カントンとの協議が必要となります)に引き下げることを決定しました。引き続き,下記(4)の感染防止のための行動の遵守,適正な措置(衛生措置及び感染防護措置等)の遵守が求められています。

(ア)第1段階:4月27日から(実施済み)
・病院の全面的な診療等の再開(外来診療,不急の措置,歯科,理学療法,医療マッサージを含む)
・ホームセンター,園芸用品店,花屋,造園業,の営業再開。
・理髪店,マッサージ店等の営業再開
・無人洗車場,日焼けサロン及び花畑等のセルフサービス業の営業再開

(イ)第2段階:5月11日から(実施済み)
・小中学校(義務教育)の授業再開
・高校,高等教育その他の教育機関における5名以内での対面授業再開(自動車学校,語学学校を含む))
・教育機関における試験の実施
・(第1段階対象以外の)小売店舗全般及びマーケットの再開について,感染予防措置の遵守を条件に実施。(予防措置の内容については各業種が策定することとしており,連邦レベルでマスク着用を義務化していない。一方で(公共交通機関などで)2メートルの社会的距離を取れない場合や職業上マスク着用が必要な場合はマスクの着用を推奨するとしている)
・旅行代理店
・飲食店の営業再開(各テーブル4名まで又は家族のみ,グループ間は2メートル以上の確保又は適切な仕切り壁の設置等を含む感染予防措置の遵守を条件)
・公共交通機関の運行正常化
・ミュージアム,図書館及びアーカイブ(閲覧室を除く)の開館再開(当初第3段階(6月8日から)での再開予定であったのを前倒しで実施)
・一般に普及しているスポーツの実施およびスポーツ施設の営業実施(身体的接触の禁止,個人もしくは5名までのグループ,試合は除く等の制限等を含む感染予防措置の遵守を条件)
・プロフェッショナル・スポーツの再開(試合は除く)
・入国制限に関し,3月25日以前に提出されていたEU/EFTA及び第三国就業者による査証審査を5月11日以降に再開するとともに,スイス人及びEU/EFTA国籍者である家族との同居目的での入国を再開する

(ウ)第3段階:6月6日から(一部緩和は5月30日,6月1日より実施)(5月27日に決定)
●5月30日より,公共の場での5人を超える集合禁止の人数制限を緩和し,30人以下による集合を許可。
●6月1日より,公共の場における署名活動(レファレンダム,イニシアチブ等)を許可。
●6月6日より,下記の活動を再開または制限を緩和。
・公私に亘る全てのイベントの禁止を緩和し,300人以下による全てのイベント(含むデモ)の開催を許可。(1000人以下によるイベントについて,6月24日の閣議において決定。)
・登山鉄道,キャンプ場,ケーブルカー等の観光事業の営業を再開。
・カジノ,動物園,植物園等の娯楽施設,スイミングプール,ウェルネス施設等の営業再開。
・飲食店におけるテーブル人数制限(現状4人迄)を廃止。(4人を超えるグループについては,代表者の連絡先の登録を義務化)
・ディスコ,ナイトクラブの営業再開(入場者数は300人以下とし,連絡先リストの作成を義務化)
・スポーツ競技(継続的な身体接触を伴う競技,格闘技を除く。これらについては7月6日まで禁止される見込み)の開催を他のイベントと同様の条件で許可。全てのスポーツのトレーニング再開を許可 (但し,同一のグループで行い,参加者リストを要作成)。
●6月8日より,義務教育以降の教育機関,職業学校,高等教育機関における講義室での授業の再開を許可。


(エ)第4段階:6月22日から実施する緩和措置【6月19日決定】
●1000人以下のイベント実施を許可。ただし,主催者は接触者の追跡を可能とし,そのために,会場内の区分け等により,同時に接触する最大人数を300人以下に限定できるように確保する必要がある。各州はさらに低い人数制限を設定することが可能。
●1000人を超えるイベントについては,8月末までは引き続き禁止されるが,感染状況が悪化しないことを条件に9月1日から実施可能(区分けによる接触人数制限を想定。)とする。政治的ないし市民的デモについては,6月20日以降,マスク着用を条件に,人数制限はなくなる。
●飲食店における着席義務を廃止。
●飲食店,ディスコ,ナイトクラブ等の営業時間制限を廃止。
●公共の場で適用される感染防止策につき,下記の簡略化を実施。
・業種毎の感染防止策ガイドラインは廃止し,統一のものとする。
・公共の場において確保すべき社会的距離について,2mから1.5mに短縮。マスク着用や仕切り板の設置等により,当該距離についてはさらに短縮可能。
・コンサート,映画等,固定座席でのイベントについては,着席客の間に空席を1席設ける。
・イベント,学校等において距離確保が不可能である場合には,接触者追跡用の参加者リストを作成する。
・政府は,ホームオフィスの推奨及びリスク対象者保護のためのガイドライン適用を終了し,在宅勤務の継続,職場への復帰については,以降,雇用者の決定事項とする。
●6月19日の閣議決定では,公共交通機関の利用時に,社会的距離を確保出来ない場合は,マスクの着用を強く推奨するとともに,利用者はマスク(1枚)を携帯することが勧められるとした。その後,7月1日,スイス連邦政府は閣議決定で,7月6日より,公共交通機関(列車,トラム,バス,登山鉄道,ケーブルカー,船等)における,12才以上の乗客によるマスク着用を義務化。【7月1日追加決定】

(オ)引き続き大型イベント(参加者1000人以上)は8月末まで禁止する【4月29日に追加決定,5月27日及び6月19日に再度発表】

(3)追加の行動規制:
・4月16日,スイス政府は,入国制限の対象外であるスイス国民及び滞在許可者による専ら買い物を目的とする出国に係わる再入国について,罰金(100スイスフラン)を科すことを閣議決定しました。なお,この規制は6月15日に解除される。(6月12日更新)
その後,6月15日,スイス連邦政府は,すべてのシェンゲン協定加盟国等との入国制限措置を解除し,買い物を目的とする出国(いわゆるショッピング・ツーリズム)に係わる再入国の制限を解除しました。(6月19日更新)


(4)引き続き,スイス政府は感染防止のために以下の事項の遵守を求めています。
・他人との距離の確保:特に高齢者と十分な距離を確保すること。行列や会議の際に他人との距離を確保すること。
・きちんと手を洗うこと
・握手をしないこと
・咳やくしゃみをする際にはティッシュペーパーや腕を使うこと。
・発熱や咳がある場合は自宅待機すること。
・電話で予約してから病院や救急窓口に行くこと。
・7月6日より,公共交通機関(列車,トラム,バス,登山鉄道,ケーブルカー,船等)における,12才以上の乗客によるマスク着用を義務づける【7月1日閣議決定】

(5)学校の試験の扱いについて【4月29日に追加決定】:
・ギムナジウムにおける大学入学資格(Matura)の筆記試験及び口述試験の実施についての判断は各州が行うこととし,各州の試験を実施しない決定をすることを認める。筆記試験を実施しない州については,評定点(Erfahrunngsnoten)で代替することとし,大学は右を認めることとする
・連邦職業習熟度試験は実施しない。右についても評定点にて代替する。

(6)宗教行事(礼拝等)について【5月20日に追加決定】:
5月20日,スイス連邦政府は,宗教行事(礼拝等)の5月28日以降の再開するための枠組コンセプトを閣議決定しました(下記,連邦保健庁のプレスリリース参照)。具体的な感染予防措置や感染追跡方法については,各宗教団体において策定することが求められています。

(7)ホームオフィスについて【5月27日発表】
スイス連邦政府は,公共交通機関の混雑防止等のため,ホームオフィスを可能な限り継続されることを推奨するが,オフィスでの勤務再開については各企業が自ら判断すること。雇用者は,引き続きリスク対象者の在宅勤務を継続させる義務を負い,オフィスでの勤務が不可欠な場合は,職務内容や職場環境を調整すること。
6月22日より,スイス連邦政府は,ホームオフィスの推奨及びリスク対象者保護のガイドライン適用を終了する。在宅勤務の継続,職場への復帰については,以降,雇用者の決定事項とする。【6月19日決定】

 


スイス連邦政府:買い物目的の越境の禁止に関するプレスリリース(4月16日)

スイス連邦保健庁:国民及び各種機関に対する措置

 

スイス連邦保健庁:新型コロナウイルス感染症についてのFAQ(イベント及び職場について)

 

スイス連邦保健庁:新型コロナウイルス感染症から身を守る方法


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