白石大使の活動報告「メキシコ伝統の<死者の日>」

2021/11/4
白石大使の活動報告「メキシコ伝統の<死者の日>」1
白石大使の活動報告「メキシコ伝統の<死者の日>」2
10月28日午後、メキシコ大使館とベルン歴史博物館共催で「死者の日」(Dia de Muertos)展示週間の開会式が開かれました。

故人をしのびながら、家族や親族、友人たちが集い、今ある生を感謝して楽しく過ごす祭りで、例年11月初めに行われるそうです。

行事としては日本のお盆に相当するのでしょう。日本と違うのは、楽しく過ごして死者を弔い、あの世での幸せを祈るものになっていることです。

古くからの土着の信仰、習慣に根付くもので、スペインによる侵略後、キリスト教の影響を受けながら変化してきたといわれています。

死者に思いをはせる祭壇には花や果物、お菓子や酒類などが並べられ、どくろが飾られています。骸骨はおもちゃでしょうが。

この日の開会式では、ブレセダ(Breceda)メキシコ大使の挨拶に続いて女性グループのダンスが披露されました。白のドレスを着た女性たちは、火のついたろうそくを中に入れたガラスのコップを手に持って踊り、しばらくしてからコップを頭の上に載せて踊るのです。死者の魂を迎える火をかざしているように見えました。

次に、男女の踊り手が舞台でステップを踏みながら登場しました。こっちの方は陽気で楽しい踊りです。女性たちはろうそくの代わりに扇子を持ちながら踊っていました。

先ほど、お盆に例えましたが、日本の「盆踊り」も同じような意味合いを持つのでしょう。

肉親を含め身近な人の死は本来、悲しいものです。死から逃れることはできないが、できるだけ長く生を享受したい、というのが多くの人の願いだと思います。

しかし、死が訪れれば、それを受け入れ、新たな旅立ちとして喜び、祝いたい。来世の幸せを願う人々の祈りの時が「死者の日」であり、「死者への祭壇」(Altar De Muertos)なのだと思いました。

コロナ禍の現状が落ち着いてくるにつれ、外国大使館のイベントに出席する機会が多くなりました。今まで知らなかった異文化と触れ合う中で、日本との違いや類似点に気づかされます。