白石大使の活動報告コメント「リヒテンシュタイン訪問<吊り橋のある古城で拝謁>」
令和3年12月17日

リヒテンシュタイン公国はハンス=アダム2世公爵殿下を元首とする立憲君主制の小国です。日本の小豆島ほどの国土に3万9千人が暮らしています。首都ファドーツの人口は約5700人。スイス,オーストリアに挟まれています。
スイスとの間で関税同盟を結び、スイス・フランを通貨として用いています。スイスが多くの国でリヒテンシュタインの利益代表を務めており、兄弟のような間柄と言えるでしょうか。1990年に国連に加盟していて、当然のことながら加盟国として1票を行使しています。
日本とは友好関係にあり、国際機関の選挙などで日本支持をお願いすることが多い加盟国の一つです。多くの諸外国同様、日本はリヒテンシュタインに大使を置かず、スイス大使が兼任しています。
本来なら、任地到着後ほどなく、大使として活動するのに必要な「信任状の捧呈」の儀礼が設営されるのですが、コロナ禍のため見合わせになりました。代わりに、信任状を別途届けた後に電話で、アロイス皇太子殿下に着任の挨拶を行うという形になっていました。
その後、リヒテンシュタイン側には、いずれ直接アロイス皇太子殿下とお会いして御挨拶する機会を得たい、と伝えておいたところ,11月5日に居城のファドーツ城での拝謁となりました。アロイス皇太子殿下は、父であるリヒテンシュタイン公国元首のハンス=アダム2世公爵殿下に代わって、実際の公務を取り仕切っています。
ところで、居城のファドーツ城は一般市民にも参観用に開放されているそうですが、実際の住まいとして使われている部分にはもちろん、立ち入りはできないそうです。
私は同行の菅谷書記官と大使車で城に向かい、居住棟のゲートをくぐりました。くぐってすぐに木製の吊り橋が架けられていて、それを車で渡るのです。短い吊り橋ですが、幅が狭く、車の左右はそれぞれ20センチ足らずの隙間しかないように見えました。吊り橋の両脇の木壁に接触するのではないかと心配したほどです。
ファドーツ城は、中世からの歴史を持つ古い城で、補修や改築などを経て現在に至っているそうです。敵の襲来に対する防御として造られた吊り橋が今も生きているのは驚きでした。
アロイス皇太子殿下に謁見する前の待ち時間の間、秘書の女性が説明してくれた中で印象的だったのは、「居住棟は日常の住まいとして使うため改善、改装は行われているが、空調施設は必要が無いので設置していない」ということでした。ファドーツ城は高台にあり、夏でも摂氏23―4度という気温だからかもしれません。
アロイス皇太子殿下は、写真でおわかりの通り長身で、落ち着いた柔らかい物腰と話し方が印象的でした。日本の皇室と公爵家とは長いおつきあいがあり、天皇陛下が皇太子殿下時代にリヒテンシュタインを御訪問された際、公爵家のもてなしを受けられスキーを楽しまれています。また、天皇陛下の御即位の記念式典にはアロイス皇太子殿下が出席されました。(12月16日記)
スイスとの間で関税同盟を結び、スイス・フランを通貨として用いています。スイスが多くの国でリヒテンシュタインの利益代表を務めており、兄弟のような間柄と言えるでしょうか。1990年に国連に加盟していて、当然のことながら加盟国として1票を行使しています。
日本とは友好関係にあり、国際機関の選挙などで日本支持をお願いすることが多い加盟国の一つです。多くの諸外国同様、日本はリヒテンシュタインに大使を置かず、スイス大使が兼任しています。
本来なら、任地到着後ほどなく、大使として活動するのに必要な「信任状の捧呈」の儀礼が設営されるのですが、コロナ禍のため見合わせになりました。代わりに、信任状を別途届けた後に電話で、アロイス皇太子殿下に着任の挨拶を行うという形になっていました。
その後、リヒテンシュタイン側には、いずれ直接アロイス皇太子殿下とお会いして御挨拶する機会を得たい、と伝えておいたところ,11月5日に居城のファドーツ城での拝謁となりました。アロイス皇太子殿下は、父であるリヒテンシュタイン公国元首のハンス=アダム2世公爵殿下に代わって、実際の公務を取り仕切っています。
ところで、居城のファドーツ城は一般市民にも参観用に開放されているそうですが、実際の住まいとして使われている部分にはもちろん、立ち入りはできないそうです。
私は同行の菅谷書記官と大使車で城に向かい、居住棟のゲートをくぐりました。くぐってすぐに木製の吊り橋が架けられていて、それを車で渡るのです。短い吊り橋ですが、幅が狭く、車の左右はそれぞれ20センチ足らずの隙間しかないように見えました。吊り橋の両脇の木壁に接触するのではないかと心配したほどです。
ファドーツ城は、中世からの歴史を持つ古い城で、補修や改築などを経て現在に至っているそうです。敵の襲来に対する防御として造られた吊り橋が今も生きているのは驚きでした。
アロイス皇太子殿下に謁見する前の待ち時間の間、秘書の女性が説明してくれた中で印象的だったのは、「居住棟は日常の住まいとして使うため改善、改装は行われているが、空調施設は必要が無いので設置していない」ということでした。ファドーツ城は高台にあり、夏でも摂氏23―4度という気温だからかもしれません。
アロイス皇太子殿下は、写真でおわかりの通り長身で、落ち着いた柔らかい物腰と話し方が印象的でした。日本の皇室と公爵家とは長いおつきあいがあり、天皇陛下が皇太子殿下時代にリヒテンシュタインを御訪問された際、公爵家のもてなしを受けられスキーを楽しまれています。また、天皇陛下の御即位の記念式典にはアロイス皇太子殿下が出席されました。(12月16日記)