リートベルク美術館訪問(9月14日)
令和3年9月14日
素晴らしい展示に驚きました。
源氏物語から、源平の戦い、中世の庶民の遊び・祭りの戯画に至るまで、各地の美術館の協力を得て借り出されたものを含め、色鮮やかな絵巻物、絵草紙、浮世絵、屛風などが陳列されています。
変化に富んだ日本の美術品が放つ存在感と、今なお私たちの心の琴線を震わせる魅力に、正直、圧倒される思いでした。
御存知のように、幕末から明治初めの動乱時、あるいは二度の世界大戦時の前後に、多くの日本の美術品が海外に流出しました。絵画、彫刻、墨書、木工品、陶磁器などが愛好家、収集家に買い取られ、世界のあちこちに散らばっていきました。
所有者の手を代えながら、最終的には美術館で陳列されるようになったものがあるでしょうし、未だに個人に私蔵され、多くの人の目に触れることなく、密かに楽しまれているものもあるでしょう。
リートベルク美術館は、緻密な調査とスイス内外の美術館との提携を通じて散逸した美術品を発掘し、その中から貴重な作品を借り出して一堂に集め、日本美術の神髄を紹介する試みに成功されたわけです。今回の展示に当たり、中心的な役割を果たされた学芸員のトリン博士の御努力に心から感謝し、敬意を表する次第です。
今回の展示で強調したいのは、過去の美術品の紹介にとどまるのではなく、過去からの遺産が現在の漫画・アニメにつながっていることを実感させてくれる構成です。
アニメと漫画の登場人物の間に私が立っているスナップ写真のように、アニメや漫画のシーンを別のスペースで紹介し、自撮りの楽しみとともに好奇心と遊び心を満足させる工夫もあります。
それによって、過去と現在をつなぎ合わせ、世界の若者を魅了する日本のアニメの原点が、平安時代の絵物語まで遡(さかのぼ)るのだと理解してもらおうというわけです。その意味でも、この美術展の独創性、訴求力の強さが注目されます。
展示のテーマは<愛、戦(いくさ)、祭り>です。日本の歴史の多彩さと日本人の心象風景をみごとに表しています。リートベルク美術館を訪れるスイスの人々が日本をさらに深く理解することになる、と確信しています。
是非、一見をお勧めします。
源氏物語から、源平の戦い、中世の庶民の遊び・祭りの戯画に至るまで、各地の美術館の協力を得て借り出されたものを含め、色鮮やかな絵巻物、絵草紙、浮世絵、屛風などが陳列されています。
変化に富んだ日本の美術品が放つ存在感と、今なお私たちの心の琴線を震わせる魅力に、正直、圧倒される思いでした。
御存知のように、幕末から明治初めの動乱時、あるいは二度の世界大戦時の前後に、多くの日本の美術品が海外に流出しました。絵画、彫刻、墨書、木工品、陶磁器などが愛好家、収集家に買い取られ、世界のあちこちに散らばっていきました。
所有者の手を代えながら、最終的には美術館で陳列されるようになったものがあるでしょうし、未だに個人に私蔵され、多くの人の目に触れることなく、密かに楽しまれているものもあるでしょう。
リートベルク美術館は、緻密な調査とスイス内外の美術館との提携を通じて散逸した美術品を発掘し、その中から貴重な作品を借り出して一堂に集め、日本美術の神髄を紹介する試みに成功されたわけです。今回の展示に当たり、中心的な役割を果たされた学芸員のトリン博士の御努力に心から感謝し、敬意を表する次第です。
今回の展示で強調したいのは、過去の美術品の紹介にとどまるのではなく、過去からの遺産が現在の漫画・アニメにつながっていることを実感させてくれる構成です。
アニメと漫画の登場人物の間に私が立っているスナップ写真のように、アニメや漫画のシーンを別のスペースで紹介し、自撮りの楽しみとともに好奇心と遊び心を満足させる工夫もあります。
それによって、過去と現在をつなぎ合わせ、世界の若者を魅了する日本のアニメの原点が、平安時代の絵物語まで遡(さかのぼ)るのだと理解してもらおうというわけです。その意味でも、この美術展の独創性、訴求力の強さが注目されます。
展示のテーマは<愛、戦(いくさ)、祭り>です。日本の歴史の多彩さと日本人の心象風景をみごとに表しています。リートベルク美術館を訪れるスイスの人々が日本をさらに深く理解することになる、と確信しています。
是非、一見をお勧めします。