大使の活動報告:福は内、コロナ外! オミクロンを追い出す節分新年会

令和4年2月11日
神尾会長による挨拶
白石大使による挨拶
白石大使は2月3日、チューリッヒで開かれたチューリッヒ日本商工会主催の新年会兼臨時総会に出席しました。大使は同商工会の名誉会長を務めています。冒頭の挨拶で、大使は、コロナ禍の困難な状況の中でビジネスを継続している会員の努力に敬意と感謝の意を表すとともに、今後ともビジネスを通じて日本とスイスの友好関係が強化されることを期待している旨述べました。

活動報告のコメント:
「福は内、コロナ外! オミクロンを追い出す節分新年会」

チューリッヒの日本商工会の新年会・臨時総会は節分の日の2月3日に開かれました。神尾会長をはじめ50人ほどの会員が集まり、総会で議題を審議・処理した後、和食を共にしながらの懇親会となりました。

神尾会長の冒頭のあいさつに続いて、私も簡単に新年のお祝いを述べました。その柱は次の3点です。(1)スイスではコロナ規制が徐々に緩和される方向にあるが、日本では感染者が急増し、依然として厳しい規制が続いている、(2)ウクライナ情勢の緊迫化で石油価格が高騰し、物価上昇が懸念される、(3)在留邦人の皆さん方の安全確保、円滑な事業展開を支援するため日本大使館は引き続き最大限の努力を行う。

懇親会での意見交換の中で、会員から日本の厳しい入国管理の緩和を求める声がありました。これに対し、私から、「スイスと日本の往来を円滑にするには、入国時の水際対策の緩和が不可欠なことは十分承知しているが、オミクロン株が日本全国に拡大している現状では早期の規制緩和は難しい。政府も待機期間の短縮措置など検討しているのでもうしばらく我慢してもらいたい」と説明しました。

スイスを含めたヨーロッパの規制緩和・撤廃の動きからすると、「日本は厳しすぎると取引先から敬遠され、ビジネスチャンスを失う危険性がある」という声を聞きましたので、「こうした空気を東京にきちんと伝えます」と約束しました。残念ながらコロナ禍の現状がそれぞれの国、地域で異なるので、お互いが納得できる措置を取るのはなかなか容易ではないと実感しています。

この日の新年会にはチューリッヒ日本人学校全日校から校長の中川先生と、教頭の佐々木先生が参加されました。中川校長によると、日本人学校全日校には現在24人の小・中学生が通っているそうです。

かつては80人を超える児童・生徒がいたと言いますが、日本のバブル経済の崩壊とともに日本企業の海外展開の機運がしぼみ、それに伴ってチューリッヒ駐在員が減少し、必然的に通学児童・生徒も減ったとのこと。この10年度は13-14人程度の在学生しかいない時もあるそうで、「就学年齢の子供さんがいる家庭はぜひ日本人学校に通わせてください」と訴えておられました。

また、教頭の佐々木先生は、日本人学校の小規模教育の利点を教員と児童・生徒との触れ合いの濃さだと指摘されました。学科、学年によっては1対1の授業もする、とのこと。また、スイスならではの野外学習活動の魅力を強調されていました。

日本人学校は、チューリッヒ商工会議所、日本人会、日本大使館との提携で運営されているのですが、肝心の児童・生徒数が少なくなれば、これからの運営に支障を来します。チューリッヒやその近辺在住の日本人関係者の協力が、学校の存続になくてはならないことを、両先生の話から改めて理解できました。

新年会はその後、恒例の会員各社及び個人会員の近況報告に移りました。自己紹介を兼ねた報告をきっかけにあちこちで交流の輪が広がり、和気あいあいの雰囲気の中で新年会が続きました。(2022年2月7日記)