白石大使の活動報告コメント「多彩な展示に時を忘れてしまう」

令和4年3月16日
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 3月11日午後、ビールのスウォッチ社・オメガ社を訪問した帰りにラ・ショー・ド・フォンの国際時計博物館に立ち寄りました。博物館ではブルニャール市長、ウゲナン館長、マリエロニ副館長に出迎えていただき、丁寧に館内を案内してもらいました。

 時計博物館には、古代の日時計、水時計から現代の腕時計、さらには正確さを極める原子時計までおよそ4500点が展示されているそうです。機械仕掛けで鐘を鳴らす教会の時計、腕時計が考案される前の懐中時計、住宅の居間にどっかり座っていた柱時計、からくり時計に至るまで、たくさんの種類の古今東西の時計がところ狭しと展示され、見飽きることがありません。

 博物館の中にはガラス越しに見える工房があり、そこでは2人の職員が時計の修理、復元に当たっています。その一人が日本人の金澤真樹さんで、当地の時計学校で勉強した後、博物館に勤め、持ち込まれた時計の修復に当たっています。部品を一から作り直すこともあるそうで、苦労が多い仕事とお見受けしました。

 時計づくしの一日でしたが、スイスの時計産業のエッセンスをのぞき見た思いでした。日本もスイスに負けず時計作りが盛んですが、伝統と技能の継承、新機軸の着想と肉付け、斬新な意匠が上手に組み合わさって時計産業が成り立っていることを思い知らされました。(3月15日記)
時計博物館のウゲナン(Régis HUGUENIN)館長らと