白石大使の活動報告コメント「NEC事業多角化のため新分野への挑戦」

令和4年4月11日
左:ベックCEO、中央:白石大使、右:グルエルディンガーCEO
左:久保田チーフシナジーオフィサー、右:白石大使
3月24日、チューリッヒのNECアバロック社を訪問しました。
 
NEC(日本電気)は日本を代表する電気通信関連メーカーで、国際的に事業を展開していることでも知られています。最近ではAI(人工知能)を活用した顔認証システムで世界をリードしているそうです。
 
そのNECが事業多角化の一環として、スイスのアバロック社を傘下に収め、金融資産管理というNECとしては新たな分野に進出しました。
 
アバロック社は、スイスの銀行などが顧客の資産管理に利用するソフトウェアと運用システムを一体で売り込み、維持管理を請け負っているスイスの会社です。1985年に設立された若い会社ですが、スイスでは大きなシェアを持っているとのこと。そのアバロックを2020年12月にNECが買収しました。
 
NECからは同社との合併効果の実を挙げるため2人の幹部が派遣されていますが、実際の運営はアバロック社からそのまま引き継いだ幹部が担当しています。CEOと言われる最高経営責任者は2人いて、営業と技術面を分けて目配りをしているそうです。
 
毛色の違うNECとアバロック社との融合を進め、その効果を高めるのが仕事という久保田氏からスイスを拠点とするNECアバロック社の現況と将来について説明を受けました。同社の軸足はスイスを中心とするヨーロッパですが、将来は日本にも進出したいとのことでした。
 
個人所得では世界のトップと言われるスイスでは、金持ち資産管理を大手の銀行だけでなく、小規模ながら信頼度の高いプライベート・バンクが扱っています。そうした銀行が利用しているのがアバロック社のソフトウェアであり、システムということなので、安全・安心を保証する技術力と信頼が不可欠な分野だと思います。
 
新分野に進出したNECの決断が実を結ぶよう、今後の展開を見守っていきます。(4月7日記)