白石大使の活動報告コメント:「閣僚訪問の政治的重みを実感」

令和4年5月17日
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 5月3日の金子総務大臣の来訪は、国際電気通信連合(ITU)の電気通信標準化局長選挙に立候補している尾上誠蔵さんへの支援を要請するためです。

 ITUは総務省が所管する電気通信分野の国際機関で、金子大臣は前日にジュネーブで開かれた外交団向けレセプションに出席し、その場で各国代表の皆さん方に尾上候補への支持を依頼されています。

 ジュネーブから車でベルン入りした金子大臣は、午後にビール市にあるOFCOM庁舎を訪問、スイス連邦通信庁のマイセン長官と面談されました。「長官とは61歳の同い年で、お会いするのは初めてですが、親近感を持っています」と金子大臣が会談を切り出し、終始和やかな雰囲気の中で話合いが続きました。

 大臣は、デジタル時代に電気通信の国際標準を決めるITU標準化局長の職責が重要であり、そのポストに知見、能力ともにふさわしい候補として尾上氏を日本政府が推薦したことを強調し、当選のために「是非ともスイス政府の理解と支援をお願いしたい」と要請されました。

 マイセン長官との会談後、金子大臣はベルンに戻り、夕方にUPUで目時事務局長との面談に臨みました。目時さんは、国際連合の専門機関の責任者として久しぶりに選任された日本人です。

 UPUは郵便事業を総括する国際機関ですが、総務大臣担当分野の重要な柱が郵便事業。金子大臣は目時さんの事務局長就任に祝意を示されるとともに、今後の協力を確約しておられました。

 日本からわざわざ大臣が出向いて直接、支援を要請する、あるいは協力を約束すると、その政治的意味合いの重みを相手側が理解します。私は両方の会談に陪席させていただき、こうした閣僚による直接外交の重要性を改めて痛感した次第です。

 もちろん私も日本政府を代表する大使として、マイセン長官や目時事務局長と面談したことがありますが、閣僚訪問の政治的な重み、その成果は、この比ではありません。

 日本のゴールデンウィークの最中に来訪された、金子総務大臣のの御尽力に頭が下がります。本当に、ありがとうございました。(5月10日記)