白石大使の活動報告コメント:「リサイクルをテーマに大使公邸を美術館に」
令和4年5月17日


5月5日からベルンのイタリア大使公邸で美術展が開かれています。テーマは「アップサイクル」。本来なら捨てられてしまう物にアイデアや芸術性を新たに加えて価値を高め、引き続き使ってもらえるようにする、ということでしょうか。
廃棄物を資源として再利用するリサイクルや、使い回しをするリユースともちょっと違う考え方で、創造的再利用とも言われるそうです。その意味では、芸術の領域にまで踏み込んだ資源活用の運動かも知れません。
「芸術が住む屋敷」とイタリア語で表記された案内状は、イタリア公邸を美術館として時間曜日限定で一般に開放するという内容で、「アップサイクルは芸術で世界を再構築する」がキャッチフレーズだと強調しています。イタリア美術界を代表する30人の現代作家の作品が、大使公邸の1階から屋根裏部屋までのスペースを使って展示されていました。
大使公邸は、もちろんイタリア大使が居住し、要人を招いての会食も行われる住宅なので、すべての部屋を開放しているわけではなく、私的な空間は除外されているはずですが、その他のスペースはアップサイクルをテーマにした作品の展示用に使われています。
古新聞でつくった人物の胸像、編み物から糸をほどくモーター仕掛けの工作、段ボールを貼り合わせてつくった壁の飾り物など、一言では表現できないような、アート作品が公邸のあちこちに展示されていて、整理された美術館の展示とは異なる、カジュアルな親しみやすさを覚えます。
大使公邸はイタリア大使館の一部で、公的な存在として重要な機能を果たしているので、美術展のために限定的とは言え、一般に開放するというのは、セキュリティーの観点から考えても相当、難しい判断を伴ったのではないかと思います。日本大使公邸で同様な試みをやろうとすれば、課題が多くて実現が困難だったかも知れません。
その意味ではイタリア大使の英断に拍手を送ります。(5月11日記)
廃棄物を資源として再利用するリサイクルや、使い回しをするリユースともちょっと違う考え方で、創造的再利用とも言われるそうです。その意味では、芸術の領域にまで踏み込んだ資源活用の運動かも知れません。
「芸術が住む屋敷」とイタリア語で表記された案内状は、イタリア公邸を美術館として時間曜日限定で一般に開放するという内容で、「アップサイクルは芸術で世界を再構築する」がキャッチフレーズだと強調しています。イタリア美術界を代表する30人の現代作家の作品が、大使公邸の1階から屋根裏部屋までのスペースを使って展示されていました。
大使公邸は、もちろんイタリア大使が居住し、要人を招いての会食も行われる住宅なので、すべての部屋を開放しているわけではなく、私的な空間は除外されているはずですが、その他のスペースはアップサイクルをテーマにした作品の展示用に使われています。
古新聞でつくった人物の胸像、編み物から糸をほどくモーター仕掛けの工作、段ボールを貼り合わせてつくった壁の飾り物など、一言では表現できないような、アート作品が公邸のあちこちに展示されていて、整理された美術館の展示とは異なる、カジュアルな親しみやすさを覚えます。
大使公邸はイタリア大使館の一部で、公的な存在として重要な機能を果たしているので、美術展のために限定的とは言え、一般に開放するというのは、セキュリティーの観点から考えても相当、難しい判断を伴ったのではないかと思います。日本大使公邸で同様な試みをやろうとすれば、課題が多くて実現が困難だったかも知れません。
その意味ではイタリア大使の英断に拍手を送ります。(5月11日記)