白石大使の活動報告コメント:「アジア人初のノーベル賞受賞者で多才な文豪タゴールを思う」

令和4年5月17日
挨拶の様子
パフォーマンスの様子
 5月7日午前、ベルン市内のホテルで開かれた、インド大使館主催の「タゴール生誕161周年記念式典」に出席しました。

 ラビンドラナート・タゴールは1861年5月7日にインドのコルカタで大商人の息子として生まれました。商売よりは文学や音楽に惹かれたようで、イギリス植民地支配下のインドで政治活動にも参加しますが、最終的には多才な文人として名声を博すようになりました。

 1913年にベンガル語の詩集『ギタンジャリ』の英訳によりノーベル文学賞を受賞しました。アジア人初のノーベル賞受賞でもありました。日本にも数度、訪れて当時の知識人と交流しています。タゴールは1941年に亡くなりますが、没後、日本でタゴール記念会・タゴール研究所が設立されました。

 タゴールの誕生日に当たる当日、インドのサンジェイ・バタチャリヤ大使夫妻が民族衣装を着て式典に参列しました。

 ホテルの会場内にはタゴールが描いた絵が展示されています。中央の舞台では、冒頭の挨拶の中で、インド大使がタゴールの偉大な業績をたたえ、タゴールの作詞・作曲によるインド国歌が披露されました。

 続いて、スイス在住のインド系住民がタゴールの詩の朗読、タゴールが作詞したベンガル地方伝承の楽曲の演奏、舞踊などを披露しました。

 今までタゴールの作品を読んだことがありませんが、この生誕記念の集いで、タゴールを崇拝するインド人の熱い思いを目の当たりにして、大いに触発されました。(5月12日記)