白石大使の活動報告コメント:「戦争終結が見えない中で復興への決意を示す」

令和4年7月25日
白石大使によるウクライナの復興に関する国際会議出席1
白石大使によるウクライナの復興に関する国際会議出席2
白石大使によるウクライナの復興に関する国際会議出席3
7月4-5日の両日、ルガーノ市で開かれた「ウクライナの復興に関する国際会議」は、今もなおロシアの攻撃にさらされるウクライナと、ウクライナを支援する多くの国・国際機関の代表が一堂に会し、戦争終結後のウクライナの復興、再建を討議する場となりました。

日本政府からは、鈴木貴子外務副大臣が参加されました。鈴木副大臣には、7月3日深夜、イタリア・ミラノ経由でルガーノ入りし、2日間の会議を終えて、5日午後には再びミラノに戻り、独フランクフルト経由で帰国するというあわただしい日程の中、精力的に外交活動を展開され、日本の存在感を大いに高めていただきました。

私は大使として脇役を務めさせてもらったのですが、鈴木副大臣の若さとエネルギッシュな活動には脱帽しました。特に、2日目の全体会議では、各国・国際機関の代表が持ち時間2分間でそれぞれウクライナ支援の方針を表明したのですが、その中でも鈴木副大臣は、選挙戦の街頭演説で鍛えたよく通る声で、明瞭かつ流ちょうな英語のスピーチをされました。外交辞令抜きの、立派な発表でした。

鈴木副大臣が強調されたのは、戦争や大震災からの復興という日本の経験をウクライナの復興・再建に生かす決意と、ウクライナ自身の主体性の確立、国内改革の推進、透明性・公平性の確保の3点です。これらのポイントは会議で採択されたルガーノ宣言と、その別添であるウクライナ復興の指針をまとめた原則の中に盛り込まれました。

ウクライナの復興はこれからが正念場です。そのためには一日も早く戦火を収めることが必要です。ウクライナの勝利を願ってやみません。(7月25日記)