白石大使の活動報告コメント:「手作りの良さがいっぱいだったヴィール市日本祭り」

令和4年9月8日
白石大使とランパルト日スイス文化協会やまと会長、加藤ラテアート・スペシャリスト (Foto)Atsuko Lampart
ラテ・アート
9月4日の日曜日、秋晴れに恵まれたヴィール市で、「日瑞文化協会やまと」(ランパルト藤井敦子代表)主催の日本祭りが行われ、その開会式に参加して御祝いの言葉を述べてきました。

ヴィール市はスイス東部のザンクトガレン州にあります。ベルンから車で2時間ほどかかりました。コロナ禍のおかげでスイス各地を訪ねることもままならず、今回が初めてのヴィール市訪問です。

主催者のランパルトさんは、「日本祭りと言えば、チューリッヒなど主要都市で開かれるのが恒例で、地方の小都市で地元のスイスの人々が日本文化に触れる機会はほとんどなかったので、それなら、とあえて東スイスのヴィールでやろうと思いました」と、開催への動機と意気込みを話しておられます。御苦労の末、2016年に初めての日本祭りが実現したそうです。

この日の会場は、ヴィール駅から徒歩5分ほどのヴィール市旧機関車庫で、学校の体育館ほどの広さがありました。中には舞台がしつらえられていて、太鼓の演奏や空手の演武など多彩な出し物が披露されました。会場の内外にいろんな屋台が並んで、まさに日本の祭りの再現です。たくさんの親子連れが日本情緒を楽しんでいました。

この日の目玉は、ランパルトさんがクラウド・ファンディングで費用を捻出し、東京から呼び寄せたという、若い日本女性がつくるコーヒーの3次元ラテアートです。私も初めて見るもので、作り方を聞いてその繊細さに驚きました。

ラテコーヒーの泡の部分を立体的に造形し、そこにチョコレートで線や点を描くというもので、富士山やスイスアルプスの名峰マッターホルンを浮かび上がらせています。コーヒーの紙コップからクリームの泡で作った猫の顔がのぞく、という楽しい“作品”もありました。

さぞかし、ヴィールの人たちも日本祭りを満喫されたことと思います。ランパルトさん、御苦労様でした。(9月7日記)