白石大使の活動報告コメント:「御挨拶のかたわら元大統領との政治談義に花を咲かせる」
令和4年9月29日

9月27日に東京で行われた安倍元首相の国葬儀に、スイス政府を代表して出席していただくというので、事前に御礼の挨拶をと考え意向を打診したところ、「お受けします」ということだったので、ベルンから車で1時間ほどのヌーシャテルの自宅にお邪魔しました。
ブルカルテール元大統領は現在、62歳とまだまだ若いのですが、すでに政界を引退され、今はヌーシャテル湖を臨む高台の自宅で小説を執筆しながら日々を過ごされています。
元大統領は40代前半に政界入りし、内務相、外相を務めた後、2014年に大統領に就任しました。スイスでは、7人の閣僚が毎年、持ち回りで任期1年の大統領職を務めるのが慣例になっています。
ブルカルテール氏が大統領を務めた2014年は、日本とスイスの外交関係樹立から150周年に当たり、両国で記念行事が行われました。その年の2月に同氏は大統領として訪日し、当時の天皇、皇后両陛下と会見したほか、安倍首相、岸田外相とも個別に会談しています。こうした経験から、安倍元首相の国葬儀出席がスイス政府内で固まったものと思います。
御自宅にうかがい、国葬儀出席予定に対する御礼を述べると、元大統領は懐かしそうに訪日の体験を話してくれました。安倍元首相についても「偉大な政治家であり、尊敬していた」と突然の死を悼んでいました。
大統領時代の2014年は、ロシアによるクリミア半島併合が起きた年でもあり、ロシア側との接触の状況について、苦労話の一端を披露されました。その経過を振り返りながら、現在のロシアによるウクライナ侵攻に対する危機感を語っていたのが印象的でした。
今も国際政治の動向には関心を持っているとのことですが、政界への復帰は頭にないそうです。2017年に引退してから好きな小説の執筆に取り組んでいて既に数冊を上梓しています。話を聞きながら、うらやましさが募りました。(9月26日記)
ブルカルテール元大統領は現在、62歳とまだまだ若いのですが、すでに政界を引退され、今はヌーシャテル湖を臨む高台の自宅で小説を執筆しながら日々を過ごされています。
元大統領は40代前半に政界入りし、内務相、外相を務めた後、2014年に大統領に就任しました。スイスでは、7人の閣僚が毎年、持ち回りで任期1年の大統領職を務めるのが慣例になっています。
ブルカルテール氏が大統領を務めた2014年は、日本とスイスの外交関係樹立から150周年に当たり、両国で記念行事が行われました。その年の2月に同氏は大統領として訪日し、当時の天皇、皇后両陛下と会見したほか、安倍首相、岸田外相とも個別に会談しています。こうした経験から、安倍元首相の国葬儀出席がスイス政府内で固まったものと思います。
御自宅にうかがい、国葬儀出席予定に対する御礼を述べると、元大統領は懐かしそうに訪日の体験を話してくれました。安倍元首相についても「偉大な政治家であり、尊敬していた」と突然の死を悼んでいました。
大統領時代の2014年は、ロシアによるクリミア半島併合が起きた年でもあり、ロシア側との接触の状況について、苦労話の一端を披露されました。その経過を振り返りながら、現在のロシアによるウクライナ侵攻に対する危機感を語っていたのが印象的でした。
今も国際政治の動向には関心を持っているとのことですが、政界への復帰は頭にないそうです。2017年に引退してから好きな小説の執筆に取り組んでいて既に数冊を上梓しています。話を聞きながら、うらやましさが募りました。(9月26日記)